例えば困っている人を助けたいと言う「人の善意」を利用するパターンです。
数日前に、架空の老人ホームのパンフレットを郵送しておきます。
後日、自宅の固定電話に電話をかけ、 同老人ホームへの入居権があなたにはある。
しかし私の関係者(親?親戚?)がその老人ホームに入りたいんだけど 入れなくて困っている。
あなたの入居権を譲ってくれないか
と持ちかけます。
特に現在老人ホーム入居する予定がないあなたは困っている人のために「いいですよ」と了承する。
「ありがとうございます。大変助かります。」と感謝され、「こんなことあるのかなぁ」などと思っていると、 後日、弁護士と称する人物から電話があり
あなたは名義貸しをしましたね?それ犯罪ですよ。逮捕されますよ。
と脅すわけです。
高齢者はこの時点でとても不安感を覚えます。
しかし弁護士と称する人物は巧みです。同時に解決策を与えます。示談金として〇〇万円を払えば被害届を出しません。不安と同時に助かる道も提示します。
助かりたい一心のあなたは言われた通りに猪突猛進。
これを邪魔する人間は全て敵です。
すでに心理を操られてしまいました。
こうなってしまうと地域の金融機関やコンビニの人がいかに説得してもなかなか止められません。なぜならば「私が救済されるための行動を邪魔するな」と言う心理が働くからです。
その結果、大金を振り込むかまたは自宅に現金をもらいに来た受け子に渡すかまたは現金を 指定された場所に郵送して騙し取られます。
彼らは巧みです。 1度では許してくれません。 追加の金銭を要求してきます。
「もう払ったじゃないですか」などと言うと「あれは分割金の1部ですよ。示談にはもう〇〇万円必要です。」と追い打つ。
恐ろしい。
このように人の誰かの助けになりたいと言う善意を利用して詐欺に引きずり込む手法はとても巧みです。
いちど電話に出てしまうとそれから逃れるのは難しいでしょう。
特に孤独な高齢者である場合、世間話などから入られるとお話に付き合ってしまうことがあります。そうなれば彼らの思う壺です。
そこで予防策の一つとして知らない電話には出ないということを推奨したいと思うんです。
話し始めたら負けという感覚が私にはあります。
もちろんその後お金を振り込む前の段階で運良く詐欺に気づく場合もあります。
しかし安全弁としては不安です。田舎に残してきたご両親などが懸命に判断できるでしょうか。
ナンバーディスプレイの契約、知人電話番号の登録をする。
留守電にしておいて、電話をかけてきた人の身元が確認できた場合にかけ直す。etc…
このくらいの不便さは、被害に遭ったときのダメージマイナスを考えるとやむを得ないのではないかと思います。