- 社長に意見しただけなのに解雇された
- 社長と言い争いになって解雇されてしまった
- 今後どうやって生活していったらいいのかわからない
などとお困りの方はいらっしゃいませんか?
今回はこの問題について実務経験10年以上を有する現役弁護士が解説したいと思います。
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相談例
私Wは地方の従業員8人程度の会社Kに勤めています。
社長Sは私ども従業員が懸命に現場に出て働いている中、
社長室で新聞を読んだり、雑誌を読んだり、TVを見てばっかりして過ごしています。
このような社長の行動に我ら従業員は普段から不満を持っていました。
ある日、 ある仕事のやり方について、社長の指示について意見をしたところ、
社長は私の態度が気に入らなかったのか、
- 俺の指示に従え
- お前のその態度で会社の士気が下がる
などとと言いました。
少しカッとなった私は、
普段の社長の態度の方が会社の士気が下がります
と申しました。
そうしたところ社長は激怒し、
暴言だ、辞表を出せ
などと言い放ちました。
これ以上やり取りをしてもらちがあかないと思った私は社長室を後にし、 その日は定時で帰りました。
しかし、その後、自宅に退職を勧奨する通知が自宅に届きました。
私は当然これを拒否しました。
そうしたら、今度は、来月いっぱいで普通解雇するとの通知が自宅に届きました。
私は一体どうしたらいいのでしょうか?
解雇の有効性
会社が従業員を解雇するには
- 客観的合理的な理由と
- その解雇が社会的相当性を有すること
が必要です。 (労働契約法16条)
仮に 今回のWの行為が形式的にはKの就業規則に反する場合でもです。
労働者は日々の生活をその給料に頼っています。
このような生活の糧を奪う「解雇」という処分について法は厳格な規制をしているのです。
本件で問題となりうるWの行為と言えば、
- 仕事のやり方について意見したこと、
- 社長の普段の行動の方が士気が下がりますと言ったこと
ぐらいでしょう。
①について 現場の立場から意見をいう程度なら全く問題はないと思われます。
② については売り言葉に買い言葉と言う側面もあって、必ずしも適切ではなかったかもしれません。
しかし、解雇を構成するような
客観的合理的な理由を有し、
解雇に釣り合うような就業規則違反に当たる
ということもないでしょう。
よって、今回社長が行ったWに対する解雇処分は
解雇権の濫用となり、無効となる
と考えます。
Wは法的にどのような手段を取ったら良いか
K社における従業員としての地位確認訴訟を提起します。
但し、訴訟の決着にはある程度時間がかかりますので、
その間の給料を保全するため
従業員としての地位を確認する仮処分
も一緒に申し立てます。
ただし、今回、
Wの預貯金等、蓄えがある程度あったことや、
W自身も小さく農業行っていたので、生活には困らない
と判断されて、保全の必要性なしとの理由で、この仮処分は残念ながら却下されました。
今回とは違って、
養う家族がいて、会社からの給料が唯一の生活資源である
と言うな場合であれば保全の必要性は認められ、
仮処分は認められていたのではないか
と思います。
弁護士費用について
着手金
成果の如何(いかん)に関わらず、着手時に必要となる費用です。
訴訟提起と仮処分の申請を合わせて300,000円いただきました。
終結時報酬金
事件終了時、 得られた成果に応じて発生する弁護士費用です。
今回、仮処分は却下されてしまいましたが、訴訟では勝訴判決を得ることができました。
判決確定までの未払い賃金合計3,500,000円も得ることができました。
以上の成果を関して、 事務所の報酬基準に従い、1,000,000円をいただきました。
解決に要した時間
訴訟提起から判決確定まで約10ヵ月程度かかりました。
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