インターネットによる選挙運動が解禁されましたが、
注意点や最低限守るべきルール
をきちんとと理解していますか?
公職選挙法違反に当たると、刑事罰や、当選無効などの制裁が待っています。
今回は実務経験10年以上有する現役弁護士が、
インターネットを用いた選挙運動(除く:電子メールへの規制)
について注意すべき点などを解説したいと思います。
法改正
Webサイト、ホームページ、YouTube、Facebook、Twitterなどにより、
立候補者の公約、取り組む制作、政治信条、自身の経歴、立候補の挨拶
などを記載した文書、図画を頒布することが平成25年に解禁されました。
元々は、公職選挙上、文書図画を自由に頒布できないことになっています。
例外的に、通常葉書、ビラに限り、枚数制限内で可能でした。
理由は、お金のある人が有利になる状況を防ぐためでした。
しかし、インターネット、Webページ等(除く 電子メール)を用いた配信ならば枚数上の制限はありません。
WebやTwitter、SNS等では
お金が多く持ってるからたくさん配信できるとは限らない
からだと考えられます。
注意すべき点
1 電子メールについては別の規制があること(本記事では対象外)
2 連絡先メールアドレスなどの表示義務
「インターネットを通じて選挙の文書図画を頒布する者」
へ連絡をする際に必要となる情報が、
受け手のスマホやパソコン上に正しく表示されるようにしないといけません。
従って、
問い合わせ先のメールアドレスを掲載する、
問い合わせフォームをウェブページ等に掲載する
などの措置が必要です。
但し、これに違反した場合の刑事罰は見当たりません。
3 選挙運動の規制に注意する
インターネットを用いた文書図画頒布は、
「選挙運動」にわたるものであれば、
告示日立候補完了〜投票日前日(街頭演説等は午後8時)まで
しかできません。
「選挙運動」とは
- 特定の選挙について、
- 特定の候補者に、
- 投票・当選を働きかける
という3つの要素から構成されます。
要するに、
選挙期間中以外に、ウェブページやTwitterなどで特定の選挙において、特定の候補者への投票・当選を働きかける行為はできない
ということです。
違反した場合には、罰則があります↓
第二百三十九条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
4 有料で選挙広告を打ってはならない
業者などに頼んでお金を払って、文書図画をネット配信してはいけません。
お金のある人が有利にならないようにするためでしょう。
第二百四十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
まとめ
これらの注意点をよく守り、インターネットによる選挙活動を行わないといけません。
特に刑事罰を受けてしまうと当選無効となることが濃厚です。
十分に注意したいものです。
公職選挙法は規制ばかり
その他、気になる点は勉強しておくに越したことはありません。
コンパクト、かつ、平易に、選挙上守るべきルールが解説されているのが↓です。
この本が手元にあれば、
公職選挙法上の大抵の問題はすぐに解決でき、
雑事にとらわれる事なく、
集中して演説などの選挙運動にリソースを投入できるでしょう。