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瀬踏み行為と選挙運動の違い 地方選挙において

 

公職選挙法上、

瀬踏み(せぶみ)行為

は選挙期間外であっても許されます。

 

しかし、選挙運動は選挙期間中しか許されません。  

 

したがって 立候補する人やその支援者は、

瀬踏み行為選挙運動の境界

をはっきり認識しておかないと、知らず知らずのうちに公職選挙法違反をしてしまう可能性があります。

 

  ここでは10年以上の実務経験を持つ現役弁護士が この問題について助言を行いたいと思います。  

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瀬踏み行為とは

 

まず、選挙期間とは

告示日の立候補届完了から投票日前日午後8時まで 

を前提とします。

 

瀬踏み行為とは何でしょうか?  

 

これはある特定の選挙に立候補を検討している候補者が、 自分の政策発表会などを催し、

その場で投票権者の意向や、獲得できる票数の見込み、どの程度当選できるか

と言うような状況を把握する行為です 。  

 

本当に立候補するかどうかを決める材料の一つとなるでしょう。  

選挙運動とは

 

公職選挙法129条では 選挙期間以外の選挙活動(=事前運動)が禁止され、 違反者は禁錮1年以下等の罰則が規定されています。

 

  選挙運動とは何か

については、前回、選挙運動の三要素を解説しました。

 

1 特定の選挙について、

2 特定の候補者に関して、

3 投票を働きかける行為

と私なりに簡潔にまとめております。

 

  今回の瀬踏み行為は

3つ目の要素を持つかどうか

が、ポイントになるものと考えられます。

 

つまり、瀬踏みを目的とした政策発表会などを開催したときに、

投票を呼びかけるような行為を明示的、または黙示的に行わなければ選挙運動に当たらない

と言うことになります。

 

この3つの要素の判断にあたっては、

今回の政策発表会などがもっぱら瀬踏みの意思でなされたかどうか

と言う点も判断の材料になるようです。

 

でも、瀬踏み行為をした人の内心は、どのようなものであったかと言う点はなかなか分かりづらいですよね?

実際の裁判では

外形客観的な政策発表会の状況やそこでの発言内容などを総合的に勘案して、事前運動とされるかどうか

が判断されるものと思われます。

従って、これまで書いてきたように瀬踏み行為と選挙運動の境界は比較的あいまいと言わざるを得ず、

諸般の状況に応じて違法となったら適法となったりすると考えられます。

 

瀬踏み行為を行うことを考えている人は

慎重に選挙運動にならないように注意し、

万全を期すにあたっては弁護士の助言を受けるのがベターだと思います。